現役人科生が考える、なぜ"早稲田大学"所沢キャンパスはいつまでたっても落ちこぼれなのか?
なぜ、所キャンが嫌いなのか
本来、残り半年で卒業であるところ、休学をして1年卒業を先延ばしするにも関わらず、大学生活、否、早稲田で過ごす時間が終わる日が近いと言うのは非常に寂しいことである。
さて、私は早稲田大学人間科学部に所属しており、早稲田キャンパス(いわゆる本キャン)ではなく、埼玉にある所沢キャンパス(所キャン)に通っている。端的に言って、私はこの所沢キャンパスが嫌いだ。
早稲田大学人間科学部を第一志望として進学したこと、その意思決定自体は間違ったことだとは思っていない。大学進学前に人間科学部で何を学びたいか多少なりとも考えていたからであり、実際入学してみて自分の好きな学問を学べる環境であるからだ。また、田舎のキャンパスということで、通学をするのに多少骨を折ることは間違いないが、別段苦でもない。
では、所沢キャンパスの何が嫌いなのか。ズバリ、そこに通う"学生達"である。なぜ嫌うかは順を追って説明することにする。
この記事は早稲田大学所沢キャンパスに通う現役生と、早稲田大学への進学を考える(人間科学部、スポーツ科学部を第一志望とする高校生が数多くいるとは思わないが)高校生に向けてのものである。
不都合な真実に目を背けたいままの現役生はここから先読まなくて良いし、少しでも早稲田大学所沢キャンパスに興味のある方は時間の許す限り目を通して頂けると大変嬉しく思う。
所キャンとはどう言う場所なのか
さて、所沢キャンパスだが「都の西北の"そのまた西北"」とは非常に良い比喩で、バス待ちの行列の末に、やっとこさ乗れるお馴染みの赤い通学バスに揺られていると「あぁ、田舎だ。トトロの森だ。東京から離れた所に通っているんだ・・・」と感じざるを得ない。
おまけに早稲田の中でも新設の学部で、看板学部の政治経済学部と違って歴史も浅く、著名なOB・OGも輩出していない。そのため、予備校等で発表される人科、スポ科両学部の偏差値は他学部と比べると一段と低く、MARCHと遜色がないレベルである。
人間科学部という学部名からでは何をやっているのかイマイチ分からない、スポーツ科学部といういかにも脳筋が集まってそうな、偏差値が低いとされ、おまけに埼玉の陸の孤島にある所沢キャンパスは落ちこぼれの限界集落だと考えられている。
あぁ、確かに材料は揃っている。所沢キャンパスをバカにする十分な材料が。しかし、私は所沢キャンパスに通う学生自身がいつまでたっても自分の通うキャンパスや学部等を卑下する行為が愚かで仕方がないと思う。
そもそも、その環境に身を置くざるを得なかった自分自身が悪いのであり、「所キャンは、○○で、××だから仕方がない」と何でもかんでも環境のせいにしてしまうその愚かさが嫌いなのだ。
自己嫌悪が大好きな所キャン生
4月によく見るのが、所キャンをネタにした所キャン新入生による自己卑下なツイート、SNSへの投稿である。
そういうのは、もう辞めにしないか?
「自分がバカだったばっかりに、勉強をサボったばっかりに、第一志望に合格できるだけの知能が無かった為に、4年間行きたくもなかった場所に通います」
ってわざわざ自分の多少のプライドとアホさ加減と、一銭の特にもならない承認欲求の為のSNSのいいねやファボを引き換えにする必要もあるまい。
そんな卑屈な現役生がネガキャンをするから、いつまでたっても所キャンは落ちこぼれが集まる酷い場所だというレッテルが剥がれず、人間科学部とスポーツ科学部を目指す高校生の絶対数が増えないのである。
ムラ社会で生きる所キャン生
さて、そんな不幸自慢が大好きな所キャンの学生は惨めな者同士群れるのが好きらしい。
あぁ、不幸にも所キャンで昼食を食べる手段は限られている。田舎にある為に、キャンパスを抜けてどこかで食べる、というのは難しい。となると、哀れで行き場のなくした迷える子羊たる学生は食堂を使うしかないのである。
ところがどっこい、この食堂が曲者だ。食堂とは本来誰もが、どこにでも座って良いものなのだが、所キャンの食堂はサークルごとで座る席が分けられているのである。
つまり、「ここからここまでのスペースは、このサークルの人しか使えない。それ以外の人間は他所に行け」みたいなことが日常的に起こっている。そのスペースで昼食を摂ろうものなら、不法侵入者と見なされて冷たい目で静けに「出て行け」と無言で非難される。口で文句を言う度胸を持ち合わせていないから目で訴える。まるで、日本史で習うような、クニの集まり(サークル)が狭い世界(食堂)で無意味な戦い(席の取り合いなど)を繰り広げているのだ。
ある意味、暗黙のルールとも言えるが、私から言わせればこのルールを作り出した者は排他的でムラ社会が大好きな大時代的な人間であり、そのルールに則る現役生もまた然り、である。
同調圧力をかけたがる所キャン生
同じ所キャン内でも線引きをするのが大好きな学生は、出る杭を打つのも好きらしい。私自身も経験したことがある(学生向けメディアの編集長やインターンに精を出しているとよく笑われた)が、所キャン内で誰か学外での活動を精力的に行おうとすると、後ろ指を指して笑う悪い癖がある。にも関わらず、授業中はやけに静かで、教授から発言を促されてもモジモジして答えない度胸無しの集団である。
では、果たして所キャンは彼ら惨めな現役生が毛嫌いするほど悪い場所なのか?いや、私はそう思わない。ただ、彼らが勝手に所キャンに限界を決め付けているだけの話である。ここから先は、所キャンの未来、希望ある話をしよう。
悩みのタネの学生バスの活かし方
さて、これは所キャン生には馴染みあるトピックだ。本来授業に間に合うはずの時間に小手指駅に着いているのに、気の遠くなるような行列のおかげで遅刻もしばしば。
現在、この問題に対する具体的な解決策は持ち合わせていない。しかし、解決の糸口になりそうな学問(社会心理学、応用確率論、渋滞学、社会物理学)はありそうだ。所キャンにもこれら学問に精通する教授がいるかもしれない。
もし、この問題をある学生が解決できたとしたら全ての所キャン生を救うだけでなく、早稲田の歴史に名を刻むことになるだろう。個人でなくとも、プロジェクト化をしてビッグムーブメントにしても良いだろうし、社会問題解決の一例になることは間違いない。問題があることを逆手にとって、問題解決をして就活のネタにしても良いだろう。
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優秀な教授陣
個人的に所沢キャンパスの教授陣は、とても優秀な方が多いと思う。未来のノーベル賞候補と言われている現在は創造理工で教鞭を執る玉城絵美准教授は、実は人間科学学術院に在籍されていた。
アドラー心理学の権威・向後千春教授、「草食系男子の恋愛学」などで知られる哲学者・森岡正博教授といった方たちの講義は今も人間科学部で受講できるのである。
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学部が違う為、スポーツ科学部の教授陣については明るくないが、
早稲田内だと所沢体育大学だの何だの虐げられがちなスポーツ科学部だけど、スポーツ科学分野においては国内1位、世界19位だからスポ科の学生は胸張って良いと思う https://t.co/lGNZ97bx3G
— 村田泰祐/Taisuke Murata (@Murata_Taisuke) 2017年7月17日
を見るからに世界的に見ても恵まれた環境であることには間違いない。
優秀、才ある学生
通信課程とはいえ、フィギュアスケートの羽生結弦選手は人間科学部"5"年生だし、2016年度のジュノンボーイである押田岳さんも人間科学部である。
PROFILE | 押田 岳 OSHIDA GAKU | Ever Green Entertainment group
また、学生ではないが授業レビューサイトのA+plusは所沢キャンパス発だ。そして、スポーツ科学部には言わずもがな、日本を代表とするトップアスリートが在籍している。
例えば
【✨輝くとこキャン生企画✨】
— 早稲田大学所沢キャンパス祭 (@tokosai_waseda) 2017年8月15日
①渡部香生子さん
②スポーツ科学部3年
③水泳部
④緑がたくさんあってのんびりできるところ pic.twitter.com/kOqLu5IHcI
2015年世界選手権金メダル、リオオリンピックでも活躍した選手がいるわけだ。ちなみに、早稲田大学所沢キャンパス祭のこの企画は非常に着眼点が良い。ただ、フォロワーは少なくないが、webメディアを立ち上げてマス向けにアピールした方が良いと思う。
個人的には、所キャンのバス改善、そして所キャンの魅力をより多くの人(特に夢ある高校生以下の年齢の人たち)に知ってもらうメディアを立ち上げたい。 早稲田大学に何かしらの形で恩返しをしたいのだ。また、個人では上記問題に立ち向かうのは無理なので一緒にやってくれる人募集しています!(DM等で気軽に連絡ください)
環境のせいにして殻にこもるのは簡単。しかし、所キャンはそろそろ暗黒時代を抜け出して次の時代に行くべきだ。所キャンにいる同志よ、今こそ立ち上がる刻である。